2008/11/27

Yahoo! 検索ワードランキングでウィキペディアは19位

Yahoo! で今年最も検索されたキーワードは「mixi」に代わって「YouTube」【2008検索ワードランキング】
Yahoo! JAPAN news --2008/11/26

ウィキペディアは19位。去年は15位だった。自分は Google で何かを検索すると上位にウィキペディアの項目が出てくるパターンがほとんどで、「ウィキペディア」で検索することはなかったので少し意外な感もある。48位に「wiki」があるが、このうちどれくらいがウィキペディアの意(あるいは略)なのか……

ニッポニカが Yahoo! 百科事典としてオンライン利用可能に

小学館『日本大百科全書』を無料で検索——Yahoo!百科事典
ITmedia -- 2008/11/27

小学館の百科事典『日本大百科全書(ニッポニカ)』がYahoo!百科事典として公開された。「プロが編さんした百科事典を無料で利用できるのは国内初」を売りにしている。これまでだと MSN エンカルタがオンラインで利用できたがダイジェスト版のみであり、ウィキペディアにもプロの執筆・編集はあるが、「編纂」とまでは言えない。Yahoo!百科事典ではコンテンツのコピーレフト化はなく、広告収入によるビジネスモデルをとるそうだ。

ユーザとしてはウィキペディアとニッポニカがオンラインで自由に参照できるのは良いことだろう。複数の情報源にアクセスしやすいということは、ここで再三書いてきたメディアリテラシーの向上にもつながると期待する。Yahoo! 百科事典はウィキペディアのライバルとも言えるが、コンテンツの編集ができるわけではなくニッチは住み分けられていると思う。事実、さきほどブラウズしていてちょっとした間違いを見つけたが、修正できなかったのがもどかしかった。我々の懸念としてはウィキペディアにニッポニカのコピペが持ち込まれることだろうか。無断複製は必ず起こるだろうが、どれくらいになるか予測は難しい。しかしニッポニカからの無断複製であれば、一般サイトからよりも検証が楽ではある。

現在ロゴには beta と付いている。コンテンツやユーザビリティーについては触れなかったが、Yahoo! 百科事典を使ってみての感想があればコメントください。

2008/11/26

毎日誤報:メディアリテラシーの教材にうってつけか

2008/11/19 日本語版で UTC は罪つくりか?-- 毎日新聞の誤報から の続き


UTCとJSTの取り違えがあまりに鮮やかだったので最初は目立たなかったのですが、毎日新聞はあやしいと通報したのはやむを得なかったとしても、誤認であったとわかったあとでも、時間帯の誤報は認めたものの、個人を犯人扱いし、ユーザー名をそのまま太字で掲載したことについては謝罪しませんでした:「犯行予告」という言葉を削ったのです。

毎日新聞おわびで簡単に詫びた後、翌朝、11月20日付朝刊掲載のおわびおわび:「ネットに犯行示唆?」の記事についてでは

>犯行示唆と受け取れる書き込みをしたとする人物

という言葉となりました。本人は「誤解されることがあったかと思いまして、反省いたしております」「軽率な書き込み」(ノート:社会保険庁長官)と言っただけでですが、まるで当該編集者本人が「犯行示唆と受け取れる書き込みをした」と認めたと受け取られるような書き方になっています。

ネットになれたユーザーなら一般人でも、「犯行予告」がどういうものか、よく知っています。あの書き込みを「犯行予告」と受け取り、のちに「犯行示唆」と言ったのは記者だけです。それでも、警察は「通報」を受ければ「慎重に調べます」と答えざるを得ないでしょう。相手が誰だろうと、情報提供を断る筋はないからです。



ガ島通信 2008-11-19■毎日新聞の誤報、ミスよりも深刻な社会部的な取材手法は、時刻の取り違えよりも、マッチポンプ的取材方法を問題としています。

NikkeiBPnet:Web制作現場の“非常識”元厚生事務次官殺傷事件の報道に、現場的「おい!大丈夫か」2008年11月26日は「責任転嫁しているようにも読める内容である」と指摘しています。

編集者氏は、最初「犯行予告」と報じられてパニック状態になり、ウィキペディア上で「軽率」を謝罪し自ら警察にも連絡しています。確かに彼の編集は「軽率」かもしれません、が、だからと言って犯罪者扱いは「虚偽」「虚報」ではないでしょうか。気を取り直した彼は、毎日新聞を訪れて、謝罪を求めます。しかしその彼に対して、社会部の人は「'''毎日新聞は正義'''」と言ったとのこと。これでまた2ちゃんねるが大騒ぎです。

(ネタメモ)Wikipedia をキーワードに PubMed 検索すると 31 件ヒットする

ネタメモ。医学生物学関連の文献データベースで最も有名なものに PubMed がある。「Wikipedia」で検索すると 31 件ヒットした。オピニオンの投稿だろうか、「When searching for the evidence, stop using Wikipedia!(証拠を探すのにウィキペディアを使うのをやめよ!)」というタイトルもある。要旨も読めないが、大学の教官がウィキペディアのコピペで作られた学生のレポートに対して腹を立てているのかな、などと想像したり。一方、専門家としての情報提供やウィキプロジェクトへの参加についてなど興味をひかれるタイトルもある。自分の環境ではアクセスできない雑誌が多いが、読めるものは後日紹介したい。

薬に関する項目は重要情報の抜けが多いとの調査結果

Wikipedia、薬に関する項目は重要情報の抜けが多いとの調査結果
ITmedia News (Reuters) 2008/11/26

ニュースの原文はWikipedia often omits important drug information: study Reuters 2008/11/25。原著は The Annals of Pharmacotherapy の電子版 2008/11/18 号に掲載された Nova Southeastern University というアメリカの大学の薬学部のグループによる報告「Scope, Completeness, and Accuracy of Drug Information in Wikipedia」。論文の要約を読んでもどの言語版についてなのか書かれていなかったが、まず間違いなく英語版ウィキペディアに関する調査だろう。報告の内容はタイトルの通り。医薬品について内容を検証したところ、重要な情報が書かれていない項目が他の医薬データサイトに比べて多かったという。

ウィキペディアの「なかのひと」は重々承知のことと思うが、ウィキペディアは(まだまだ)完全ではない。これまで言われてきた通り、ウィキペディアの記述を(ウィキペディアに限らず様々な情報源を)鵜呑みにするのは危険だ。特に医薬系の情報だと、最悪の場合、(例えばアレルギー反応についてなど)情報が足りなかったことにより、生命に危険が及ぶ可能性がある。もちろんウィキペディアはそのコンテンツを完全に近づけていく努力が必要だが、日本語版では医薬関連項目には{{medical}}テンプレートが貼られ「ご自身の健康問題に関しては、専門の医療機関に相談してください。免責事項もお読みください。」という文面が表示されている。しかし、先ほどいくつかの項目を見てみるまで知らなかったが、英語版ではどうもこのような注意書きはないようだ。

このようなニュースが出ることで、「だからウィキペディアは危険だ」と受け取られると残念だが(そのような短絡的な受け取り方こそがメディアリテラシーの欠如を端的に示しているように思う)、逆に読者に注意を促し、メディアリテラシーが高まればと願う。今回の調査をした研究者も述べているように「Wikipediaはインターネットで調べものをするときの良い出発点になる」。ただし「どんなトピックでも完璧な説明が載っていると考えるべきではな」い。危険なのは情報を鵜呑みにするという行為だ。また専門家は専門家としてアクセスすべき情報源がウィキペディア以外にあるだろう。

一方、専門家は注意を促す以外にも、専門家としてできることがある。Gene wiki のように参加して正しく編集してしまうことだ。ウィキペディアは紙媒体と違い、訂正も速い。実際「研究者らはWikipediaの調査時点の項目を90日前のものと比較し、スコープが「著しい改善」を示したことも発見し」ている。もう一点、この報告で良かったことをあげておこう。「研究者らがWikipediaで見つけた答えはいずれも事実の誤りがなかったが、MDR(専門家によるチェックを受けているサイト)では不正確な答えが4件あった」。情報が足りなかったのは残念だが、誤りがなかったというのは良いことだ。

2008/11/25

gihyo.jpで「はてブ」レビュー連載

連載:ギークじゃなくても楽しめる! 新はてなブックマーク
gihyo.jp -- 2008-11-25

gihyo.jpで「はてブ」のレビュー連載が始まった。ユーザビリティーに関する考察はウィキメディアプロジェクトへも応用できそうだ。ウィキメディアでは、検索などの技術的なことは開発者しかいじれないが、非常に良いアイデアや強い要望があるなら、開発者へ伝えるのも貢献のひとつだろう。もちろんハッカーとして開発に直接携わることができるなら、さらにすばらしい。

2008/11/24

2008/11/19

日本語版で UTC は罪つくりか?-- 毎日新聞の誤報から

毎日新聞「ウィキペディアで犯行示唆」と誤報、実際は事件後の記述
Internet Watch - 2008-11-19

先日、毎日新聞が元厚生事務次官宅での犯行について「ウィキペディアで犯行示唆」があったとの記事を載せた。これはウィキペディアにおける時刻表示が UTC であることに毎日新聞の記者が気づかず、編集を事件前の犯行示唆ととりちがえたために起こった。毎日新聞はこの誤報について撤回とお詫びを掲載している。

記者・編集部のリテラシーとウィキペディアにおける速報についてはここでは触れないことにする。今回は日本語版プロジェクトにおける標準時について考えてみた。

日本語版ウィキペディアでの JST 採用は一度提案されたが、「ユニバーサル標準」を重視する意見などもあり、見送られたと記憶している。個人的には UTC は建前上は世界標準だが、実際問題としては数ある地域標準時の一つに過ぎないと考える。日本語版であって日本版ではないということはもちろん承知だが、日本語版で JST を採用することにどちらかと言えば賛成だ。英語を主要言語とする国はイギリス、アメリカ、オーストラリアなど世界中に広く散在するので、英語版では UTC が自然に、あるいは消去法的に選択されるだろう。一方、ドイツ語版やフランス語版では中央欧州標準時 CET を採用しているなど、最もアクセスの多い地域の利便性を重視するのもまた自然だと思う。UTC は日本に住んでいる人にとっては不自然で不便だ。ログインユーザはオプションで時刻設定が可能なので普段はあまり気にならないが、署名の時刻は日本時間-9になるし、特定版削除の際は混乱の原因となる。日本語版での UTC と JST ではメリットとデメリットのどちらが大きいだろうか。

2008/11/18

日本版フェアユースは可能か

なぜフェアユースが日本に必要か--成蹊大の城所教授が熱弁
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20383828,00.htm?ref=rss
2008/11/18 13:33 CNET Japan

日本版フェアユースに関する動きがあるようだ。上の記事はフェアユースを可能にした方が経済効果が高く、かつ著作権侵害への対応がより容易になる、という主張。どれくらい実現可能性があるのだろうか。日本版フェアユースについてはデジタル・ネット時代における知財制度専門調査会などが提言をしており(下記リンク参照)、現実味を帯びてきていることは確か。日本でフェアユースが法制化したとしても、どこまでが「公正」かについての判断は、判例の蓄積を待つ必要もあるし、米国と同じものになるとは限らない。単純な肯定は保留したいが、フェアユースが導入されれば日本語版ウィキペディアが、より多くの情報を盛り込む事ができるようになるのは間違いない。 フェアユースの必要性はビジネス的な観点からの提言も多いが、非営利で公益性の高いプロジェクトにとっても重要な話題となるはずだ(Ks aka 98が加筆・修正)。

関連リンク
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AC%E6%AD%A3%E4%BD%BF%E7%94%A8

"公正な利用"なら著作権者の許諾不要 - 知財本部がフェアユース導入提言
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/10/30/007/index.html
2008-10-30 マイコミジャーナル

「日本版フェアユース規定」の導入を提言、知財戦略本部の専門調査会
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/10/29/21355.html
2008/10/29 INTERNET Watch

小寺信良の現象試考:21世紀型フェアユース論 (1/3)
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0810/27/news009.html
2008/10/27 ITmedia +D

「日本版フェアユース」について要望書を提出しました。
http://miau.jp/1224491400.phtml
2008-10-20 MiAU

中山信弘氏のフェアユース論
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/794b4a35c4b42158746146e796e5bd13
2008-10-08 池田信夫 blog

「フェアユース」で官製不況の打破を - 池田信夫の「サイバーリバタリアン」
http://ascii.jp/elem/000/000/170/170205/
2008/09/09 ASCII.jp

2008/11/16

ニュースリンク

グーグルとウィキペディアとYouTubeに未来はあるのか?
2008-11-11: ITpro: 新刊・近刊紹介
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20081104/318414/

Web 2.0信者の目を覚ます/書評『グーグルとウィキペディアとYouTubeに未来はあるのか?』
2008-11-13: All-in-One internet magazin Web担当者Forum: 書評
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2008/11/13/4185

GFDL 1.3について
2008-11-10: SourceForge JP Magazine: 八田真行氏による説明。
http://sourceforge.jp/magazine/08/11/10/0619256

ウィキペディアに「女子小学生殺す」犯行予告で集団登下校 - 新潟県
2008-11-11: マイコミジャーナル: ニュース記事
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/11/11/049/

マリーチが“人に優しい”ウェブサイト閲覧ツール『マイルーペ』をリリース
2008-11-11: DREAM NEWS: プレスリリース
http://www.dreamnews.jp/?action_press=1&pid=0000004044

Google EarthがiPhoneとiPod touch対応に
2008-10-28: ITmedia News: ニュース記事。Wikipediaも利用可能に。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/28/news020.html

日本と他国のwikiの決定的な違いはアニメと政治
2008-11-15: Amebro News: 日本語版ウィキペディアの編集回数ランキングでアニメ・漫画が上位独占された件
http://news.ameba.jp/weblog/2008/11/20496.html

「ウィキペディア」に書かれた自分を検証する -- ヨシダプロの場合

「ウィキペディア」に書かれた自分を検証する
@nifty:デイリーポータルZ 2008/11/16

デイリーポータルZでヨシダプロが自分の項目をオモシロオカシク検証している。詳しすぎる個人情報についてや、主観的な記述についてなど、大人な態度で指摘が入っている。当該項目は短い文章がリストで追加されて行く典型的な「リスト項目」で、形式的にも改善が必要だ(しかし現状から事典的でない記述を落とすと項目として成立しないかもしれない)。

関連記事
本人のエッセイは出典になりえるか 2008/07/30 -- 吉田戦車氏の場合

2008/11/06

GFDL1.3

GNU Free Documentation License 1.3 Released
CC-BY-SAライセンスへの移行を許すGFDL 1.3リリース


Q. What are the changes in FDL 1.3? / GFDL 1.3 の変更点は?
A. The primary change is the addition of section 11. This new provision allows certain materials released under this license to also be used under the terms of CC-BY-SA 3.0. / 主要なものはセクション11の追加です。これは CC-BY-SA 3.0 へのライセンスの移行を可能にするものです。
FSF FDL1.3 FAQ

以前から折衝が行われてきたが、こういう結末になったそうだ。

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【関連ページ】


追加
[[ja:w:Help:GFDL1.3のリリースについて]] 2008/11/30

2008/11/04

寄付募集2008

ウィキペディアをご支援ください!

来年度に向けての寄付募集、Fundraising 2008 が始まりました。11月4日スタートで、今年の目標額は「$6,000,000」。

開始日の11月4日は、ちょうどグローバル・アンケート調査終了後になるはずだったのですが、日本語版はアンケートの日本語訳が間に合わず(?)スタートが遅かったので、アンケートが11月10日まで延長されてます。


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関連ページ


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2008年11月10日現在までの約1週間で$2,300,000を超えています。もう三分の一を超えたと見るか、まだ三分の一しか集まってないと見るかは、人それぞれ。

グローバル世界大百科事典

ダウム、ウィキメディア財団に百科事典コンテンツ寄贈
(アジア経済2008年11月4日:韓国語) (Google翻訳excite翻訳

韓国のオープン系のカンフェランスでグローバル世界大百科事典(韓国語)のコンテンツがウィキペディアに「寄贈」されたとか。寄贈主は韓国でも大手ポータルサイトのひとつ、ダウム。個々の記事の執筆者すべてから、どんなふうに同意をいただけてるのかとちょっと驚きました。

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関連ページ
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